筋トレとケガの関係を見直してみると、体を大きくする秘訣が見えてくる!
筋トレに限らずスポーツにはケガが付きものですが、ケガをしてしまうと思ったようにトレーニングができずに、逆にストレスが溜まってしまいます。ケガは可能な限り避けたいものです。
プロスポーツ界を見渡してみると、長く活躍している偉大な選手、例えば体操の内村選手や野球のイチロー選手はしばらく競技ができないような大きなケガはしていません。
彼らが特にケガをしない強い体かと言えば、決してそうではないでしょう。第一線のプロ選手ゆえに、ケガをしない為のたゆまない努力を続けているはずです。ケガはなかなか避けては通れないと思いますが、努力次第で可能な限り少なく抑えることもできるということです。
特に私のように年齢が50代ともなると、本当にケガの治りが遅くなります。年齢とともにこれまで以上にケガの予防が必要となってきます。
このページでは、言われてみれば当たり前のことも多いのですが、これまでの私の経験の中で劇的にケガが少なくなった方法をお伝えします。トレーニングの一助になれば幸いです。
ケガ予防の3つのポイント
1. トレーニング方法
トレーニング方法を見直してからケガが大幅に減りました。結論から言うと「きちんと扱える重量で正しいフォームで行う」ように意識してから、ケガが減りました。
言われてみればすごく当たり前のことなのですが、中級者レベルでもできていない人は多いのではないでしょうか。
具体的に良く見かけるのは、
- 適正以上のウエイトを振り回している
- 特に関節に負担のかかるような姿勢で行っている
- 挙動を戻すとき(ネガティブ時)に力を抜く
順番に解説してみます。
「適正以上のウエイトを振り回している」
これは自分も本当に長い間やってきた間違いです。適正以上のウエイトでトレーニングしても、ケガのリスクが高まるだけで、一つも良いことはありません。
徐々に扱う重量を上げていくことはもちろん重要ですが、見栄を張ったり「とにかく重い方が効く」と思っていた時期がありました。
同じ10回のバーベルカールでも、チーティング使いまくりの振り回す20kgより、1回1回ターゲットの伸縮を感じながらしっかり挙動する14kgの方がよほど二頭筋に効きます。(もちろん14kgはきちんと適正に扱える最重量ということです)
振り回さないまでも、煽り上げや勢いをつけたり、またはベンチプレスの際に胸でバウンドさせたりと、適正重量以上のウエイトを筋力以外の力を使って扱っていると、思わぬ箇所に思わぬ負担がかかりケガの原因となります。
ぜひ一度、改めてジムの中で他のトレーニーの様子を見てみてください。体が大きくきれいな人は、一つ一つの挙動が丁寧でしかり狙った筋肉に効かせていると思います。逆に初心者に近いほど、重すぎるウエイトを一生懸命に持ち上げているのではないでしょうか。
「特に関節に負担のかかるような姿勢で行っている」
一番多い例は、トレーニングの中でも人気の高いベンチプレスではないでしょうか。
まず、初心者に軽視されがちなのがグリップです。ウエイトを挙動させることに意識がいきがちなので、最初はグリップまで気が回らないのかもしれません。手首が返って、ウエイトを手のひらで支えている人を良く見かけます。これでは早晩、必ず手首を痛めることとなります。
また、ベンチにフラットに寝て挙動をし、肩にダイレクトにウエイトが乗っている人も良く見かけます。胸ではなくて肩で上げ下げをしている状態です。これも肩を痛める原因となります。
さて、ではこれらを解消するためにはどうすれば良いのか。それは各種目、正しい動作で行うことが必要となります。
ベンチプレスの例で言えば、手首は返さずきちんと腕の真上(掌底)にウエイトを乗せ、手首には負担をかけない。ベンチにフラットに寝ることはせず、肩甲骨を寄せて肩を固定し、胸の伸縮で上げ下げを行うようにする。
とにかく各種目のセットに入る前は、慣れるまでは一つ一つ姿勢の確認を行いながら集中して臨むべきです。トレーニングが上手な上級者の姿勢を見習ったり、YouTubeで解説動画を見るなどして、とにかく正しい動作を反復させることが大切です。
ベンチプレスのやり方に関しては、こちらも参照ください
初心者から中級者向け ベンチプレス講座
How To Bench Press: Bodybuilding.com
「挙動を戻すとき(ネガティブ時)に力を抜く」
こちらも本当によく見かけます。特に最終レップに近くなってくると、シンドくなって集中が切れるためかどんどん雑になっていきます。
また、ベンチプレスでバーベルを下ろす際、常に力を抜いて胸でバウンドさせている人もたまに見かけます。これはいろいろ心配になる動作です。
挙動の最中に力を抜いてウエイト(重力)に委ねることは本当に危険ですので、必ず注意してください。こちらもケガのリスクが高まるだけで一つも良いことはありません。
トレーニングでは常に筋肉の伸縮を意識することが重要です。伸ばす動作のストレッチと縮める動作の収縮です。常に、ターゲットとなる筋肉にウエイトが乗っている(負荷がかかっている)ことを意識して、動作することが基本となります。
例えばサイドレイズをしていて、挙げる時は勢いをつけて上げ、下げる時は力を抜いてウエイトを下ろす。これも良く目にする光景ですが、コントロールを失ったウエイトが危ないばかりでなく肩に思わぬ負担をかけることもあります。またこの挙動は、なによりサイドレイズの半分を捨てているわけで今一度動きを見直すべきです。
最後にまとめると、
以上の3点に共通していることは、ケガの原因になるばかりでなくトレーニングの効果を大幅に減少させているということです。つまり、一生懸命にトレーニングしても、その割にほとんど効果が得られていないのです。
トレーニングをしていてもなかなか思ったように大きくならない人は、一度この点を見直してみてください。ここがいわゆるトレーニングの上手い・下手が現れる部分です。
2. グローブやベルトなどのギア
グローブやリストラップ、ベルトなどはケガの予防に繋がりますので、トレーニングを始めたばかりでウエイトの扱いに慣れていない人ほど使用をおすすめします。
各種ギアは、高重量を扱うために利用されることが多いのですが、ケガの予防という側面も大いです。
私は初心者の頃からハービンジャーのグローブを使い続けています。手のひらなどは革が厚めに使われていながら手に馴染み、しっかりグリップしてくれます。そして何より、手首の保護にリストラップが一緒になっている点がお気に入りの部分です。
手首保護のリストラップもしっかりしているのでお勧めできます。サイズが合わないと手のひら部分にシワができるので、サイズは慎重に選びましょう。
リストラップが付いたグローブは他にもありますが、いくつか浮気した結果、このハービンジャー(青)のグローブに並ぶ手首の固定感を得られるものはありませんでした。
ハービンジャーのグローブに関する詳しい内容はこちら
そして安全性の面では見落とされがちですが、シューズも地味にケガ防止には重要です。同じ考えを持ったトレーニーに出会ったことがないのですが、以下のことはかなりお勧めできますので、考えに共感されたらぜひ試してみてください。
シューズにはスクワット時の踏ん張りだとか、安定感を求められる人も多いようですが、私は一切そのようなこだわりがありません。(スクワットが苦手なのもありますが..) それよりも、まさに安全第一という気持ちで「安全靴」を履いてトレーニングしています。
調べてみるとアシックスからおしゃれな安全靴がかなり出ているようですが、私はホームセンターで購入した1,000円ほどの安全靴を利用しています。丈夫で軽くて何の問題もありません。見た目はかなり安っぽいですが(笑)
つま先の硬いメタルで、バーベルやベンチなどをコンコンと押すことができます。もちろんつま先にウエイトが落ちても保護してくれます。
安全靴を履いていれば、ジム内の事故で意外と多いウエイトの落下によるつま先のケガの予防になります。また、つま先が硬いと何かと捗ることも多いです。床に置いたウエイトをつま先で止めたり、少しずらしたりなど。
ともあれ、トレーニングに安全靴を使うのは理にかなっていると思っていますしお勧めです。
3. トレーニング間隔
これは年齢を重ねて、しかも頻繁にトレーニングができない人に当てはまるかもしれません。私は50代なのですが、とにかくトレーニングはハードに追い込みますので、翌日は絶対に休息を取らないと厳しい状態です。
そのため、2日・3日続けてトレーニングすることは考えられません。何回か2日続けてトレーニングをしたことはありますが、部位が違っても全く使わないということはないので、やはり前日トレーニングした筋肉に入るとさらに疲労感が高くなります。
それをどこかでかばったり、楽をしようという動きになりケガの原因にも繋がります。トレーニング自体もしんどくなります。
もちろんあくまでも個人的な状況ですので、日々のトレーニングをサクッと切り上げ、疲労があまり残らないように回している人などは、連日でも快適にトレーニングができるのではないでしょうか。
私はトレーニングの時間は週3日しか取れないため、どうしても1日の密度が濃くなってしまいます。ちなみに腕と胸は週に2回やりたいので、「脚・胸・腕」「背中・肩」「胸・腕」のルーティンで回しています。
常に全力を出し切る感じなので、必ずトレーニング日の間に1日以上の休息を設けて、ある程度疲れを取って臨むようにしています。それが自分としてはケガの防止に繋がると思っています。
ケガをしてしまったらの対策・治療
さて、いくらケガに注意をしていてもケガは必ず訪れるものだと思います。予防も大事ですが、ケガをしてしまったらその後のケアが非常に重要となります。
ずるずると長引かせてしまっては、満足がいくトレーニングができないばかりか、ケガが治らない状態が長期にわたり続くこととなり、多方面にストレスがかかる状態となってしまいます。
ケガをしてしまったらとにかく「集中して治す」ことを心がけて、長引かせないようにしましょう。ケガの対策に関しては特に珍しい内容ではありませんが、私が経験した中での体験談をお伝えできればと思います。
整体
「固くなった筋肉をほぐす」だけが整体だと思い、長らく整体の位置づけはあまり高いものではありませんでした。しかし、現在通っている整体はいわゆる「トリガーポイント」を中心とした施術で、深部の痛みや神経系の痛みをかなりの確率で緩和、または取り去ってくれます。
整体は基本的に体をほぐすだけと思っていましたが、きちんと解剖学が頭に入った施術は効果が高いですし、とても重宝しています。
イメージとしては、プロスポーツ選手などに帯同するメディカルトレーナーのような存在です。「ここをこう曲げるとココが痛い」などの会話で適宜痛みを緩和してくれます。
しかしながら整体師も突き詰めれば個人なので、こういった身体を理解した勉強家の人に巡り会えるかがポイントとなるかもしれません。評判などを聞きつつ、納得できるまで整体を渡り歩いてみてください。
整骨院
治療に近い施術をしますが、医者ではないのでそのアプローチは限られています。どうしても肘の痛みが辛くて、何軒か整骨院を転々としたのですが、結局完治することもなく満足行く施術を受けられたことはありませんでした。
いまは私の選択肢に整骨院はありません。どこも患部に電気を流し痛みを和らげていくことをしていましたが、これがやはり前向きに捉えられず。「本当にこれが効くのだろうか」という疑問しかありませんでした。
もちろん、整骨院のセンセイ(柔道整復師)個人により、いわゆる当たりハズレはあると思いますが、私自身は巡り会えませんでした。
市販薬
ドラッグストアーで、「とにかく一番強い関節痛に効く薬が欲しい」と言って勧められたのがボルタレンでした。しかし、これは本当に気休めにもなりませんでした。
鎮痛作用のある「ジクロフェナクとナトリウム」が主成分なのですが、やはり万能というわけではなさそうです。ちなみに同じような薬でバンテリンがありますが、こちらの主成分は「インドメタシン」でやはり鎮痛・解熱・抗炎症作用があります。
「ジクロフェナクとナトリウム」「インドメタシン」ともに、炎症を引き起こす物質『プロスタグランジン』の産生を阻害し、患部の痛みや腫れを和らげて発熱を抑制する狙いがあります。
つまり、薬を塗って安静にしていればそのうち治るかもしれない、ということですね・・。
整形外科
きちんとしたお医者さんですが、私はトレーニングのケガでは一度も通ったことがありません。これは、周りのトレーナーも口を揃えて言うのですが、取りあえず痛みの原因を突き止めても結局最後は「治るまで安静」ということになるからです。
それはもちろん当然なのですが、トレーニングを何週間も全く休むということはとても考えられません。結論が分かっている感じなので、お医者さんからは足が遠のく感じです。
ケガの箇所を避けてトレーニングする
結局はこれに行き着くと思います。トレーニングは定期的に行いたいがケガも治したいとなると、極力ケガを悪化させないように取り組むしかありません。
それには、できればケガの原因・ケガの病名を突き止めることが大事です。分からなくても「動作の角度を変えれば痛みがない」などできる対処法はありますが、原因が分かっていることで格段に避けられる動作や注意すべき動作が見えてきます。
例えば、私は長らく肩の痛みに悩まされていたのですが、とあるセンセイとの会話でこの原因が「二頭筋長頭腱炎」と分かりました。
それから、「二頭筋長頭腱炎」に良くない動作を避け、休息中は効果的なストレッチを行うなどしてかなり痛みが改善してきました。
とにかくケガをしてしまったら、原因を知ってきちんとした対策や休養を取ることが重要となります。
筋トレとケガに関するまとめ
ケガをしてしまい、トレーニングを続けながら治そうとするとどうしても長引いてしまうものです。だから、極力ケガをしないための取り組みが必要です。
とにかく丁寧にゆっくりと、適切なウエイトを扱うことが重要ですし、何よりその動作が筋肥大に最も効く動作となります。逆に重すぎるウエイトを、反動つけながらブンブン振り回すのはケガの原因になるばかりか、狙った筋肉にも効きが弱くなるものです。
ケガをせず、そして効率良く体を大きくすることを目指しましょう!