粉飴の役割 なぜ筋トレのときに粉飴やマルトデキストリンを飲むのか

Sugar

飴(マルトデキストリン)の目的としては主に2つ、「素早いエネルギー補充」と「意図的なインスリン分泌」を狙ってのものです。

どういうタイミングで粉飴を摂るのか

スポーツの試合や競技の前・途中で、選手がバナナを食べているのを良く目にすることがあります。これは体が動くためのエネルギーを素早く取り入れる目的がありますが、同じように粉飴も「糖質(エネルギー)」を素早く筋肉のエネルギーとして取り込むことを目的としています。

通常の食事から糖質を取る場合、具体的にはお米や麺などが中心となると思いますが、糖がエネルギーとして利用できるブドウ糖にまで分解され筋肉に蓄積するまで1~2時間程度必要となります。 フルーツに含まれる糖分である果糖などは消化が早いため運動の約30分前に摂取するのが良いでしょう。

大正製薬

ただし、水に溶かした粉飴は、消化を経るバナナよりも体内(血流)への吸収がより早くなります。そのため、短時間に瞬間的にパワーを出したい競技のエネルギー補給には非常に効果的なのです。

筋トレ中、「気力はあるのになかなかパワーが出ない」と感じたら、粉飴(マルトデキストリン)の利用を検討してみてください。また、特に粉飴ではなくても「糖質」が多く含まれた飲料で手軽に代用できます。まずはそういった、例えば果物ジュースなどで試しても良いかもしれません。

ただし、これらは全てカロリーとなりますので、通常の食事やトレーニング前のエネルギー補充で、十分に糖質(筋グリコーゲン)が足りていると感じている場合、あえて無駄にカロリーを摂取する必要はありません。糖質10gで40kcalも余分にカロリーを摂取することになります。

意図的なインスリン分泌を狙う

吸収の早い粉飴を飲むと、筋肉にエネルギーが素早く届きます。つまり、素早く血液中に取り込まれ血流に乗り、そしてエネルギーとして全身の筋肉に届くわけです。また、これにともない血糖値が上昇することでインスリンの分泌も促されます。

インスリンは、筋肉へ各種栄養を届けるための重要な役割を担いますが、ここでエネルギーとなる糖質(グリコーゲン)のほか、BCAAなどエネルギー以外の狙いで筋肉に届けたい栄養も一緒に運んでくれるのです。つまり、インスリンの分泌を伴うことでBCAA単体では吸収のタイミングが遅れてしまったり、十分に吸収されないことを防ぐ役割もあるのです。
インスリンのメカニズムに関してはこちら

筋トレの前・中・直後には粉飴

そのため、私は特に「筋トレの前・中・直後」には必ず粉飴を混ぜてサプリメントを摂取しています。このタイミングで飲むサプリメントは、とにかく早く筋肉へ届けたいものばかりだからです。

特に筋トレ中のBCAAとの組み合わせは抜群で、エネルギーが途切れないようにインターバルごとに飲んでいるとパワーが最後まで持続します。それぞれの分量により効果も変わってきますので、自分なりの適量を探してみると良いかと思います。

*2024年04月追記
現在、筋トレ中の補給は「粉飴」と「塩」を溶かしたものを飲んでいます。BCAAはお腹が重くなる傾向があったのと、パフォーマンス重視にしたので省くようにしました。

よく「粉飴やマルトデキストリンの濃度は◯%が良い」という記述を見かけますが、やはりこういったものの効きというのは、その日の体調でも変化しましすし個人差も大きいです。あくまでも参考値としてとらえ、自分なりの適量を探ってください。

ちなみに私は、筋トレ前・直後はインスリンのトリガー的な役割を狙っているだけなので、10g程度しか粉飴を混ぜていません。筋トレ直後は、筋肉が糖質を欲している状態ともいえますが、筋トレ中に摂った糖質で充分に足りていることもありますので、常に体の状態に合わせて摂取すると良いでしょう。筋トレ中は体調やその日の食事状況などにより、50g前後をBCAAに混ぜています。

プロテインには粉飴は混ぜません

体内への吸収タイミングの違いから、プロテインを飲む時には粉飴は利用しません。プロテインは消化・分解されて筋肉に届くまで30分~1時間程度ですが、粉飴はそれよりも圧倒的に早いタイミングなので、インスリン分泌を狙うにはズレが大きくなります。

そのため私は、消化吸収のタイミングが比較的近くなりそうな糖質(炭水化物)を少量、一緒に食べるようにしています。インスリン分泌のタイミングを、プロテイン(アミノ酸)吸収になるべく合わせることが狙いです。

筋トレ直後や、食事と時間が離れたときのプロテイン摂取は、お餅や団子、せんべいやクッキーなどと一緒に摂ることが多いです。

そもそも粉飴、マルトデキストリンとは?

前の説明で、粉飴の代用に果物ジュースなど糖分入り飲料が使えると書きましたが、これはどちらかというと逆で、そのような甘みの強い糖分(ブドウ糖)の代用品として、マルトデキストリンが存在します。

マルトデキストリンはトウモロコシや小麦のデンプンが原料で、栄養価や吸収速度はブドウ糖と変わらず、匂いはほとんどなく甘みも少ないため、あらゆる面でブドウ糖の代用品として利用されています。

BCAAに砂糖を50g一緒に溶かして飲もうと思うと、甘すぎてとても飲み続けられませんが、これが粉飴(マルトデキストリン)ならそれほどの甘みを感じずに飲めるというわけです。

ところで「粉飴」とは..

甘味料の一種で、水飴を脱水乾燥して白色の粉末にしたもの。比較的糖化度が低く(ブドウ糖含有率15~30%。通常の水飴は35~45%)、デキストリンの比率が高い水飴を、噴霧乾燥するかあるいは真空乾燥して製造する。水に溶けやすいうえ、水に溶けたものは粘性が高い。特有の穏やかな丸みのある甘味をもつ。清酒の酒造用添加物や、菓子、佃煮(つくだに)、調味料、缶詰の調味液などのつや出し、粘稠(ねんちゅう)度増加などに使われる。また腎(じん)疾患の低タンパク質高エネルギー食のエネルギー源としても使用される。
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

ですが、筋トレ業界では一般的に「粉飴」といえば、H+Bライフサイエンス社の製品を指します。

主な粉飴、マルトデキストリン、糖質補給商品の比較

※価格は編集時のものです

商品H+Bライフサイエンス 粉飴顆粒1kgNICHIGA 粉あめ(国内製造) 3kgバルクスポーツ マルトデキストリン2kg
名称H+Bライフサイエンス 粉飴顆粒 1kgNICHIGA 粉あめ3Kgバルクスポーツ MD 2kg
価格1,594円2,559円2,717円
10
gあたり
15.9円8.5円13.6円
成分100gあたり
たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物96.0g、ナトリウム0~5mg、カリウム0~5mg、リン0~5mg、水分4.0g
100gあたり
たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物96.0g、糖質96.0g、食物繊維0g、ナトリウム0mg、食塩相当量0g
100gあたり
たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物93.8g、食塩相当量0g
カロリー100gあたり
384kcal
100gあたり
377kcal
100gあたり
369kcal
原産国フランス日本日本
特徴水に溶けやすく味なし★管理人も利用中国内で製造、高コスパ国内製造のマルトデキストリン