初心者のためのプロテイン【飲み方編】
筋トレを始めてある程度習慣化してくると、次に気になるのはプロテインではないでしょうか。筋トレをして漠然と「筋肉を付けるにはプロテインが必要」と思っていても、何をどう選んだら良いか、どのタイミンで飲んだらいいのか最初は分からない人も多いと思います。
プロテインの失敗談
そういう私も、筋トレ初心者の頃は「プロテインは飲むべきもの」という程度の知識しかなく、筋トレ後にドラッグストアーで買ったプロテインを20g(そのうちタンパク質は6割程度)を飲んでいただけでした。もちろん、これだけでは何の足しにもならず、全く効果が得られませんでした。
そしていつしか「プロテインを飲んでも意味がない」と思うようになり、しばらくプロテインを含めサプリメントを一切摂らない日々が続きました。いま思えば、その頃からきちんと学んで、しっかりプロテインを含めた栄養補給を怠らずにきていたら、もっといい体になっていたのにと後悔しています。
とにかく、筋トレをして筋肉を増やしたい、大きくしたいと考えているようでしたら、タンパク質を多く摂れる食事を意識し、足りない部分はプロテインで補うという生活を心がけてください。
プロテインを飲むタイミング
まず言うまでもないのですが、プロテイン(protein)の意味は「タンパク質」ですが、業界で一般的にプロテインといえば市販されている「プロテインパウダー」を指します。ここでもプロテイン=プロテインパウダーを意味するものと思ってください。
プロテインを飲むタイミングの話の前に、まずは栄養の消化吸収に関する基本的な仕組みを頭に入れておいてください。と言っても全く難しいものではなく、普段から自分自身で体感しているものです。
食事をすると、その栄養が胃や腸で消化され体内に吸収されます。体内(血液中)に吸収された栄養は、血管の中を流れ全身に届けられます。そしてその栄養は、筋肉が動いたり成長するエネルギーとして使われ、過剰な場合は脂肪へと蓄えられます。
この栄養の一連の流れを理解することがとても重要です。プロテインの摂取は、つまり「タンパク質という栄養」をいかに効率よく筋肉に届けるのかがポイントとなります。
それではいくつかある、効率よくタンパク質を筋肉に届けるタイミングをご案内します。
【タイミング1】筋トレ後
いわゆる筋トレ後のゴールデンタイム(最近では死語になりつつありますが..)と呼ばれるタイミングです。筋トレ後は筋肉が疲労し、最も栄養を欲している状態です。素早い栄養補給が必要となります。
ここでお気付きの方も多いかもしれませんが、筋トレ後の筋肉はとにかくすぐに栄養を欲している状態です。いくら消化吸収に優れているプロテインでも、筋肉に届くまでにはそれなりに時間がかかります。筋トレ後にすぐにプロテインを飲んてもタイミングがずれてしまうのでは、と思うかもしれません。
確かに、筋トレ直後に栄養(タンパク質)を届けたいのであれば、このタイミングでプロテインを飲むのは理にかなっていません。では、それでもなぜ飲むのかと言えば、筋肉の成長や修復はゆるやかに進むため、多少のタイミングのずれは許容できる範囲といえるからです。筋肉の修復や成長に上手く栄養を乗せてあげる、そんなイメージを思い浮かべてください。
ちなみに、私はこの筋トレ直後の初期タイミングも逃したくないので、いろいろ工夫しています。詳しくは後ほど補足しますが、より吸収が早まるよう既にタンパク質が分解されたアミノ酸を摂るようにしています。
【タイミング2】筋トレ前(1~2時間前)
前述の内容に繋がることですが、プロテインの消化吸収のスピードを逆算して、筋トレ前にプロテインを摂っておこうということです。イメージとしては、筋トレが終わる頃から徐々に筋肉に栄養が届きはじめ、筋トレ終了後にはきっちり行き渡っている感じです。
もちろん、筋トレ中から届くようにしても良いのですが、早めに摂りすぎると今度は筋トレ後に足りなくなる可能性もあります。筋トレ中はパワーを発揮できるサプリメントを中心に摂ることをお勧めします。
筋トレ中に飲むサプリメントの紹介「粉飴、マルトデキストリン」
【タイミング3】空腹時、食間
一度に栄養を消化吸収するできる量は、それぞれの内臓で限りがあるといわれています。つまり、タンパク質を多く摂りたいからとプロテインを一気に大量に飲んでも、食事で十分に足りている場合は無駄になってしまうこともあります。
そこで、食事の影響を受けないタイミングでプロテインを補給しようという考えです。もちろん、このタイミングはプロテインではなく、良質なタンパク源でも問題ありません。おやつにコンビニの「サラダチキン」や「ゆで卵・温泉卵」は定番ですね。
【タイミング4】食事後
食事で十分にタンパク質が摂れていない時に飲みます。私の場合は、特に朝食はプロテインありきのメニューなので、食事後というか朝食のメニューとしてプロテインを組み込んでいます。
本当はきちんと食事からタンパク質を摂ったほうがいいのでしょうが、やはりプロテインと同量のタンパク質を朝から食事で摂るのはなかなか厳しいものがあります。
また、食事後にプロテインを飲むもう一つの狙いとしては、インスリン分泌の上昇に合わせるということです。より栄養が筋肉に届くように、食事で摂る糖質(炭水化物)を利用します。
インスリンに関するまとめはこちら
【タイミング5】就寝前
休息中、とくに就寝中は筋トレ後の筋肉ダメージの修復が進みますが、就寝中の長い時間は栄養が新たに入ることがないので、就寝前にプロテインを飲んでおこうという考えです。
私は、就寝中は消化器官も含めた内蔵も休息させたいと考えているので、特に就寝前にはプロテインは飲んでいません。これはそれぞれの体質や体調にもとづき、個々の考えで実行すれば良いかと思います。
【タイミング6】筋トレ後 補足
プロテインはその原料の違いにより、消化スピードに違いがあります。それと、どのプロテインでも体内に取り込まれるには、消化を経てアミノ酸に分解される必要があります。
そのため、プロテインを飲んだとしてもすぐに栄養が筋肉に届くわけではありません。ちなみに食事で固形のタンパク質を摂った場合は、さらに消化に時間がかかります。
そこで、それならばより早く筋肉に届けるために最初からアミノ酸を摂れば良いのではとなります。アミノ酸のネックはやはり価格なので、ここぞというタイミングだけ摂れれば良いかもしれません。
もちろん、前述したように、筋トレ前にプロテインを飲んでおくことで、筋トレに栄養が届くタイミングを調節できますので、無理にアミノ酸を摂ることもありません。
さらに早く筋肉に栄養を届けるために
栄養を筋肉に届けるにはインスリンというホルモンが必要です。より確実に、より早く届けるために吸収の早い糖質を一緒に摂ることで、インスリンの分泌を促します。言い方を変えると、血糖値を意図的に上げてあげます。
吸収されたアミノ酸がインスリンと共に血流に乗り、より確実に筋肉に届きます。私はこのような狙いで、筋トレ直後のタイミングで「プロテイン」「糖質」、それと筋肉の分解抑制や消化管機能のサポートのために「グルタミン」を一緒に飲んでいます。
↓長年愛飲しているプロテイン
糖質は、最もメジャーな「粉飴」を一緒に入れて飲んでいます。
グルタミンは、コストパーフォマンスにも優れたMRMのL-グルタミンを使っています。
プロテインの量
厚生労働省の資料によると、「健康な成人における良質(動物性)たんぱく質維持必要量」は0.65g/kg 体重/日とあります。体重70kgであれば、45.5gということになります。
卵だけで6個、牛肉だけで約300g、鶏胸肉だけなら約230gという感じです。一般的な成人であれば、1日にこれくらは実際に食べている量ではないでしょうか。
これが、筋トレをして筋肉を増やしたい場合は、体重×2~3gのタンパク質が必要となります。体重が70kgであれば、140~210gということです。この量を通常の食事だけで毎日摂るのは厳しい、ということでプロテインを利用するのです。
なので、やみくもにプロテインを飲めば良いというのではなくて、通常の食事で摂り切れない分をプロテインで補うと考えてください。(これがサプリメント=栄養補助食品の一般的な考え方です)
例えば1日に140gのタンパク質を摂りたいとして、50gは通常の食事から摂取、残りの90gは3~4回に分けてプロテインで摂取するという感じです。
ただし、プロテインの飲み過ぎ、タンパク質の摂り過ぎには注意してください。いきなり腎臓がどうこうなるわけではないのですが、負担のかけ過ぎはやはり禁物です。健康診断などで、腎機能に関する数値には常に注意するようにしましょう。こちらもどうぞ参考に
プロテイン、タンパク質の摂りすぎで尿素窒素に異常がでた話
まとめとして
なぜプロテインを飲むのか? いつ飲むのか? 飲んだらどうなるか。漠然とプロテインを飲んでいるのではなく、こういった考えのなか、きちんと答えを導き出し、そして自分の体調や体質に合わせた進め方が何よりも大切です。
筋トレも栄養補給も突き詰めれば科学です。しかし難しいことではなく、自分の体で起こっている科学なので、研究も解明も自分次第です。逆に言うと、自分の体の中で曖昧に何が起こっているのか分かっていないのは良くない状況です。しっかり理解した上で進めることが、筋トレ上達への近道となります。
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