GI値・GL値って?【糖質を味方に】炭水化物のグリセミック指数を解説

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質、炭水化物などの食べものに関して「これは血糖値がすぐに上がるから太りやすい」という言葉は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

血糖値がすぐに上がる=糖質の量が多い・吸収されやすい、ということなのですが、ではなぜ血糖値がすぐに上がるといけないのでしょうか。血糖値が急上昇したとしても、トータルで摂る糖質の量に変わりがなければ特に問題がないような気もします。

吸収されやすい糖質の代表としては、砂糖を多く含んだ食品や、または糖質が多く溶け込んでいる飲料が挙げられます。果物も一般的に吸収が早いといわれています。

さて、ではこの糖質が体に吸収される仕組をひも解いてしっかり理解し、筋トレやダイエットに役立てていければと思います。

血糖値の上昇速度を示す? グリセミック指数、GI値とは

炭水化物の消化吸収スピードの目安となるものが、グリセミック指数(Glycemic Index)、いわゆるGI値です。

しかしながらこの「GI値」ですが、少しひとり歩きしている感があります。GI値が高い=食べると太りやすい、という単純な結びつきで目にすることも多いのではないでしょうか。では、GI値とはそもそもどうやって導き出されているのかをまずはご説明します。

グリセミック指数(GI値)というのは、血糖値の上昇速度や吸収率を示した絶対数値ではなく、ブドウ糖(グルコース)を摂取した際の血糖値の時間変化をグラフに描き、その曲線が描く面積を100とした場合の相対値です。

つまり、例えば血糖値が一気に急上昇しても、すぐに急降下した場合はGI値は低くなります。逆に上昇はゆるやかで血糖値が高くならない場合でも長時間にわたり保たれる場合はGI値は高くなります。

※極端な例です。実際の食品をサンプルにしていません。

GI値の盲点、デメリット

またこの数値・GI値は「炭水化物(糖質)50グラム」を摂取した場合を基準としています。

そのためGI値を考える時に注意しなくてはいけないのは、仮に200グラム中に糖質50グラムでGI値が80という食品Aと、100グラム中に糖質50グラムでGI値が50という食品Bがあった場合、同じ200グラムの量を食べたとすると、食品Bのほうが摂取する糖質量は多くなってしまいます。

食品A食品B
重さ200グラム100グラム
糖質量50グラム50グラム
GI値8050

しかし一般的には「食品AのGI値は80」「食品BのGI値は50」という表示だけで、GI値の低い食品Bを食べましょうとなるのです。いくら低いGI値でも、量を多く食べてしまっては低GI値を選んだ意味がありません。

GI値とエネルギーや栄養循環の関係

では、GI値はどのようにダイエットや栄養補給に役立てれば良いのでしょうか? それは、GI値はインスリンと連動して考える必要があることをまず頭に入れてください。

とても大ざっぱに言うと、GI値に応じてインスリンが増える、そしてインスリンが増えると脂肪が溜まりやすくなる。ということです。もちろん、脂肪が蓄積される原因はインスリンだけに頼るものではありませんので、あくまで原則としてお考えください。

人間の身体は、血糖値を一定レベルに保つようにできています。血糖値が上昇するとインスリンが分泌され、インスリンによって血液内の糖が体全体の筋肉に届けられ、また運動エネルギーと利用されます。そして余った糖を脂肪へと形を変え、蓄積させることで血糖値を下げていきます。

このようにして、血液中の糖を一定に保とうと一途に下げる働きをしているのが、インスリンの役割です。

インスリンは、筋肉へ糖以外の栄養も届けます。筋トレを効果的に行う上で欠かせない知識です。詳しくは インスリンを自在に操り、筋トレやダイエットの質を上げよう

さて、ではここで改めてGI値に話を戻しましょう。冒頭、GI値とは血糖値が時間軸で描くグラフの面積とお伝えしました。つまり、GI値が大きいほど血糖値も多くなりインスリンも多く分泌されるということです。

ただここで問題になるのは、もちろんインスリンの量もそうなのですが、インスリンの増え方の内容です。一気にインスリンの量が上昇し、そのまま継続的に高いレベルを保ったとすると、どうしても筋肉への蓄積やエネルギーとして利用する量を大きく越えて脂肪になる率が高くなるでしょう。
(※インスリンレベルを急上昇させる行為は、太りやすくなるという以外にインスリンの感受性を鈍らせたり、ひいては糖尿病に繋がる原因ともなるのでそもそも注意が必要です。)

では理想はどのような形なのでしょうか。インスリンレベルは高すぎず、継続的に一定レベルであると必要な栄養も不足なく体全体に行き渡ります。脂肪となる糖も最小限に抑えられるでしょう。

つまり実際に食べる量の本質的なGI値(※詳しくは後述します)を頭に入れておき、一気に食べるのではなく回数を多くしてゆっくり食べることが重要となるのです。

この原理原則が分かっていれば、ラーメン、ご飯、ビールを一緒に大食い・早食い、またはケーキバイキングでの大食い・早食いなどは最も太りやすい例の一つとロジカルに理解できるはずです。

GI値の落とし穴 きちんと認識すためにはGL値(Glycemic Load)が重要

さて、ここまで読んでいただければ、ある程度GI値の性格とメリット・デメリットが頭に入ったのではないでしょうか? ではここから、GI値のデメリットを解消するにはどうしたら良いかをまとめていきます。

まずGI値に関わるインスリンは、量や食べ方に依存するものなので、一概にGI値が低ければ良いという訳ではないことをご理解いただけているかと思います。

では量に関わる問題なのですが、まずは「本質的なGI値」を知っておく必要があります。本質的なGI値とは、炭水化物(糖質)50グラムを基準としていたGI値を、実際に現実的な一人前の量に含まれる炭水化物(糖質)を基準に求めた値です。

これはグリセミック負荷(Glycemic Load)GL値というもので、算出式は「各食材に含まれる炭水化物の量(g)×GI値/100」となります。

GL値を使うことで、実際に食べる量を基準に血糖値が多くなるのか少ないのかが判断できるようになるのです。10以下は低く、20以上は高い値と定義されています。GI値が高くても、GL値が低い食品が散見されるのが注目すべき点です。

A glycemic load of 10 or below is considered low; 20 or above is considered high.
出典:Harvard Medical School(下記表も)

主な食品のGL値

食品GI値1食量(g)GL値
ご飯7215029
玄米5015016
パスタ4618022
バゲット953014
ベーグル723025
全粒粉パン69309
コーンフレーク813020
オートミール5525013
大豆151501
ニンジン39802
ジャガイモ8215021
リンゴ361205
バナナ4812011
グレープフルーツ251203
コカ・コーラ63250ml16
トマトジュース(無糖)38250ml4
牛乳31250ml4
ポテトチップス565012
スニッカーズ516018
ハチミツ612512

この中でもやはり「玄米」や「オートミール」は低数値をキープしています。減量中にきちんと効果を発揮しているだけありますね。

ご飯と玄米を同じ量だけ食べるのであれば、圧倒的に玄米のほうがGL値が低く脂肪が付きにくいといえます。しかし、なかなか玄米は美味しくいただけない・・ ということで、最近私は間食には玄米フレークを食べるようにしています。クリーンにカロリーを増やしたい場合にもおすすめです。

まとめとして、

それでは、どのように炭水化物(糖質)と付き合うのが良いか。GL値が重要で頭に入れておく必要があることは分かりましたが、これは結局、炭水化物の量(インスリンの分泌量)をきちんと把握しておくだけに過ぎません。

GL値が低いからといって量を多く摂ったり、速く食べては意味がありません。また、GL値はあくまでも炭水化物(糖質)に限った値なので、GL値が低くても脂質が多く含まれる食品であればその性格もガラッと変わります。

GI値、GL値にとらわれることなく、総合的に自分の体に必要な栄養素をきちんと理解しおくことが、筋トレやダイエットに不可欠ということです。

炭水化物(糖質)との上手な付き合い方

  1. 血糖値を上げ過ぎないように、少しずつ小分けにして食べる
  2. 他の栄養を取り込んでから、炭水化物を摂るようにする
  3. エネルギー消費の激しい筋トレ時には、即エネルギーとなるような糖質の摂り方も大事

最低限これらを注意していれば、急激に脂肪が増えるということも避けられると思います。脂肪の増加は最低限に、筋肉の増加は最大限にしたいですね。